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主演・辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)!「ぼくの名前はズッキーニ」大阪公演開幕迫る!

2021/3/12

取材レポ

ぼくの名前はズッキーニ

2002年にフランスで発刊され世界中でベストセラーとなった小説を世界初の舞台化した「ぼくの名前はズッキーニ」がいよいよ3 月19日より大阪で開幕する。

本作は児童養護施設で育ったズッキーニと呼ばれる少年とその仲間たちの成長を描いた物語。舞台上は3方そして床を黒板で囲まれただけでそれ以上のセットはほぼ存在しない。ズッキーニはシモン(稲葉友)やカミーユ(川島海荷)ら子どもたち、そして彼らを見守る警察官のレイモン(平田満)ら大人たちが思い思いにチョークで場面説明やそれぞれの心情をチョークで壁や床に描く。この手法が実に興味深く面白い。やがて話は彼らが何故この児童養護施設に送られたのか、家族との厳しく切ない関係にも踏み込んで語られる。はたしてズッキーニが迎える運命とは――。

先日東京公演のゲネプロ終演後に行われた囲み取材では、辰巳、川島、稲葉、平田、そして脚本・演出を手掛けたノゾエ征爾らが出席して心境を語った。
辰巳は「今こうしてステージに立てている事、ものすごく濃密な稽古を重ねたうえでここに立てている事、そして初日を迎えられる事。まずそこにホッとしています」と緊張と安堵が入り混じった表情を見せ、「一人でも多くの方に作品を届けられるという事に胸が躍っています」と素直な気持ちを言葉にした。また、6 歳児を演じるという事について心境を聴かれると、「子どもを大人たちが演じるという部分で、自分が愛している”演劇”をやらせていただいているなという実感を感じていました」と普段から何度も口にしてきた演劇愛の強さをここでも語る辰巳。だが、稽古では当初なかなか上手くいかなかったようで、「最初の方は、子供らしくしすぎちゃって。稽古をやっていく上で、どんどん要らないものを排除していくことで子どもっぽくなっていった」と振り返り、役作りのいちばん参考になったのはズッキーニと同じ6 歳の姪の存在だと語る。「『雄くん、かっこいい』っていう姪っ子の混じりっ気のない無邪気な一言が参考になりました」とデレデレの“おじバカ”ぶりを見せていた。

川島は誰よりも小柄で童顔という見た目から、6 歳児を演じる事について「逆に恥ずかしいです。この公演期間に27歳になるんですが、(衣裳が)スゴイ似合ってます、と言ってもらえるので、この童顔を自信にやっていきたいと思います」と照れ笑いを浮かべていた。一方稲葉は同じ6 歳でもちょっととんがった役どころのため、髪型はリーゼントでキメているが、「子どもらしく(ほおに)チークを入れてまして」と笑う。その発言に辰巳も「二人でチークの濃さを研究しているんです」と楽屋での風景を説明し「そんな二人の様子を平田さんに見守ってもらっています」と平田に話を振ると、「とてもほほえましいです」と平田が笑顔を見せていた。

子ども役を大人がやるという演出について、ノゾエは「大人になって失ったものや無くしたもの、もしくは失くしたくなかったものもあるだろうし…改めて子ども役に対峙した時に、そのはかなさとかそういうのが、俳優の体からこぼれてくるといいなぁと思って」とこだわりを見せていた。


大阪公演はCOOL JAPAN PARK OSAKA TT ホールにて3 月19日から21日まで上演される。

公演情報

ぼくの名前はズッキーニ

2021/03/19(金)~2021/03/21(日)≪全4回≫
COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール

公演詳細はこちら


D’après AUTOBIOGRAPHIE D’UNE COURGETTE de Gilles Paris© Gilles Paris 2002
「ぼくの名前はズッキーニ」日本語版 DU BOOKS 2018 年、安田昌弘訳
仲介:(株)フランス著作権事務所- Bureau des Copyrights Français

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