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【インタビュー】ジャンルを超越する古澤巖のスーパーバンドが登場

2021/2/15

インタビュー

Six Unlimited コンサートツアー2020 ~オールスターズの企て~

Six Unlimitedが奏でるファンタジックな企てに酔いしれる

日本を代表する三大バイオリニストの1人で世界を股に掛けて活躍する古澤巖。2020年には東儀秀樹、塩谷哲、小沼ようすけ、大儀見元、井上陽介らとスーパーバンド・Six Unlimitedを結成し、多彩な音楽性で魅せるステージングが話題を呼んでいる。今回は2/23に控えた大阪・シンフォニーホール公演に向けての思い、そして自らの音楽的ルーツや盟友・葉加瀬太郎との出会い、最新アルバム『Violon d'a mour』の魅力など多岐にわたって話を伺った。

――幅広いジャンルで活躍されている古澤さんですが、現在に至るまでの音楽的ルーツや志向の変遷などは?

 
3歳からバイオリンを始めて、ずっとクラシックを学んでいましたが、1986年にその後の僕の方向性を決定づけた葉加瀬太郎君との出会いがありました。僕は当時、ジプシー音楽のバンドがしたくて、まだ18歳だった彼と初めて会ったその日に『一緒にバンドをやろう!』と誘い、以来ずっとお付き合いが続いています。2006年には彼のレーベル・HATSに僕を誘ってくれて、それを機にポップスなども聴いて演奏するようになりました。

 

――古澤さんにとっては大きな出会いだったんですね。

 
僕にしてもそうですけど、葉加瀬君が登場して世の中のバイオリンに対する捉え方が一変したと思います。僕もHATSに入った当初はトラックに合わせて演奏するなど初めて経験することが多くて、とても勉強になりました。

 

――最新アルバム『Violon d'a mour』での多彩な表現もそういった経験が反映されているのかと。 
 

ここ数年、作品提供をしてもらっている作曲家、ロベルト・ディ・マリーノさんの楽曲や、僕が結成した品川カルテットという弦楽四重奏団の演奏、奉納公演のために書き下ろした『高千穂幻想』など、いろいろなタイプの楽曲が収められています。タイトル曲『Violon d'a mour』は、アコーディオニストのcobaさんとのバンド・TFC55の楽曲で、活動終了の記念としてレコーディングしました。人との出会いや付き合いから生まれた曲を集めたら自然とアルバム1枚分になりましたね。

 

――大阪公演を控えているSix Unlimitedについてのお話も。まず、これだけ個性的で華やかなメンバーが集まったことが本当に奇跡ですね。

 
演奏家なら皆さん、『いつかは憧れのプレイヤーたちと一緒に演奏したい』という気持ちがあると思うんですけど、今回、塩谷哲さんがすごいメンバーを集めてくれて、本当に最高の贅沢を楽しませてもらっています。

 

――コンサート動画を拝見したのですが、縦横無尽にジャンルを行き来するステージングが印象的でした。

 
核となるのは大儀見元さんのパーカッションで、そこに塩谷さんのピアノ、小沼ようすけさんのギター、井上陽介さんのベースが入ることで僕のバイオリンや東儀秀樹君の雅楽が自由に演奏できるんです。これはクラシックだけをやっていたときには知り得なかった感覚ですね。

 

――アンサンブルはどのように作られたのですか?

 
僕の場合は構成を完全に決め込んだ状態で自分の曲を持っていきました。その上で自由にやろうよって。このコンサートに向けてもかなりの数の曲を用意しました。

 

――最終的な選曲は音楽監督である塩谷さんが?

 
そうですね。収集つかなくなるけど、みんなの思いをまとめてもらって(笑)

 

――バンド内で古澤さんが担っている役割は?

 
みんなが作った家の窓辺にちょっと飾る花(笑)。メンバー全員ソロを取るんですけど、僕はバイオリンならではの華やかさで、お化粧というか最終的なフィニッシュを担っている感じです。

 

――コンサートのサブタイトルに『オールスターズの企て』とありますが、どのような企てを?


今回、大きな試みとして、曲の合間にナレーターによる生ナレーションが入るんです。言葉の力ってすごく大きくて、美しい語りから音楽に入ることでファンタジックな世界観を楽しんでいただけるかと思います。

 

――大阪公演に来場されるお客様へのメッセージをお願いします。


会場であるシンフォニーホールはクラシックの殿堂で、このような形式のバンドで出演するのは初めて。もう1時間半駆け抜けますよ! 客席は感染症対策で両隣を空けて座っていただくのでリッチな気分で演奏を聴いていただけます。ぜひ、ご来場ください!

 

TEXT:伊東孝晃


INFORMATION

■Six Unlimited コンサートツアー2020
~オールスターズの企て~

出演
東儀秀樹(雅楽師) 古澤巌(ヴァイオリン) 塩谷哲(ピアノ・音楽監督)
小沼ようすけ(ギター) 大儀見元(パーカッション) 井上陽介(ベース)
 
2021/02/23(火・祝)15:00
ザ・シンフォニーホール

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