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【インタビュー】花總まり その生き様に励まされてきた数々の女王役を新しい形で表現

2020/2/14

インタビュー

「プレミアムシンフォニックコンサート ~花總まり・愛に生きた女王を綴る~」

舞台に現れれば大輪の花が咲いたような存在感を見せる花總まり。宝塚歌劇団で歴代最長の12年3ヵ月間トップ娘役を務め、2006年に退団後も数々の舞台で活躍。特にハプスルブルク帝国最後の皇后エリザベート、悲劇の王妃マリー・アントワネット、英国に繁栄をもたらしたエリザベス1世など歴史上の偉大な女性を演じる機会が多く、表現力の高さは抜きん出ている。そんな花總が一流の音楽家たちと、世界の女王の物語を歌や語りで紡ぐスペシャルなコンサートを開催。来阪した彼女に意気込みを語ってもらった。

――角田鋼亮さんの指揮のもと、古澤巌さん(ヴァイオリン)、塩谷哲さん(ピアノ)という才能豊かな方々とご共演されますね。

 

「皆さんとはNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』にちなんだ特別コンサートなどでご一緒したのですが、素晴らしい方たちなので、女王の時代を彩るクラシックの名曲の演奏もじっくりお聴きいただきたいです。私としても、フルオーケストラの前で歌う機会はなかなかないので、とても楽しみです」

 

――5歳からヴァイオリンを習っていたそうですが、このようなシンフォニックコンサートに憧れがありましたか?

 

「はい、こういう形のコンサートは初めてなので光栄です。今でも家で突然ヴァイオリンを弾きたくなる時があるんです。私の好きな曲、パッヘルベルの『カノン』などを弾いています」

 

――花總さんは1996年の日本初演『エリザベート』にて、世界最年少でエリザベート役を演じられ鮮烈な印象がありました。宝塚を退団後も同役を演じ続け、第41回菊田一夫演劇賞大賞を受賞。今年大阪でも再演されます。

 

「今も同じ役を演じさせていただけることは私にとって奇跡です。初演は無我夢中で取り組み、達成感のようなものはなかったのですが、初演メンバーで団結し、作品をお客様に受け入れていただけたことは思い出深いです」

 

――今回『エリザベート』からは『夜のボート』を歌われるそうですね。

 

「エリザベートには『私だけに』という代表的な曲がありますが、今までもよく歌わせていただいたので、深みのあるこの曲にしました。最後に夫のフランツと会うけれどすれ違うという、あの場面自体私はとても好きで、皆さまに“人生”を感じていただければ……。フランツがそこにいなくても、素晴らしい音楽と一緒であれば違和感がないと思います!」

 

――マリー・アントワネット役は、『ベルサイユのばら』『1789 -バスティーユの恋人たち-』『マリー・アントワネット』と3作品で演じられていますね。

 

「改めて3パターンを演じさせていただいたのだなと今思いました(笑)。宝塚では伝統的な様式美の中で心情を伝え、『1789』は革命家が中心となっている物語の中でのアントワネットでした。今回はミュージカル『マリー・アントワネット』から、『明日は幸せ』を歌います。アントワネットはフェルゼンやルイ16世との愛もありますが、子どもがキーワードになるので子守歌であるこの素敵な曲を選びました」

 

――これまで女王と呼ばれる方を何度も演じられて、花總さんご自身、彼女たちの生き様に励まされたこともありますか?

 

「たくさんあります。やはりどの方も自分の運命や宿命にくじけそうになりながら立ち向かい、壮絶な人生を歩まれているので、その中から諦めない心、自分を信じる心、周りからの色んな愛を感じることなどを学びました。エリザベートやアントワネットは幼少期に自分が女王になるなんて思っていなかったはずで、その運命を考えると何とも言えないものがあります。どう生きて、どう死ぬか……など色々考えさせられます」

 

――そういう想いも乗せての歌と語りということで、大変貴重な一夜になりそうですが、他に新たな試みなどありますか?

 

「オリジナルの新曲を最後に歌わせていただきます。感謝の気持ちを込めた優しい、勇気が出るような歌になっていると思いますので、ぜひお聴き下さい」

 

TXET:小野寺亜紀

 

 

 

★INFORMATION

プレミアムシンフォニックコンサート
~花總まり・愛に生きた女王を綴る~

2020/2/23(日・祝)17:00
NHK大阪ホール

■出演 
花總まり
古澤巌(Vn)、塩谷哲(Pf)

■指揮
角田鋼亮

■管弦楽
大阪フィルハーモニー交響楽団

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