半﨑美子 「うた弁3」発売記念5周年集大成ツアー
〜地球の歩み方〜５周まわって立ち止まる〜

もがきながら生きる現代人のための聖歌

　人々の心にそっと寄り添う歌詞、温かく包み込む歌声で注目を集める半﨑美子が「5周年の集大成ツアー」を開催。大阪ではＮＨＫ大阪ホールでの公演が決まった。
　彼女は「ショッピングモールの歌姫」と呼ばれている。パン屋さんで働きながらショッピングモールでの公演を続けてきたからだ。「商業施設で歌を聴いてもらうのは大変。告知アナウンスも自分でやってました(笑)」
　一人ひとりと向き合ってその人の人生や苦労話などをじっくり聞くというスタイルで、ステージ後のサイン会は3～4時間かかることもあった。観客のほとんどが号泣しながら半﨑に話をし、「時には一緒に泣いてしまうこともありました」。
　日々一生懸命生きる人々の心にそっと温かい手を添える半﨑の曲は、この経験があるからこそ。「そこで聞いた言葉、そこで流された涙が、降り積もって曲になるという感じです」。大注目を浴びたのは17年の下積みを経てリリースしたアルバム「うた弁」収録の「お弁当ばこのうた～あなたへのお手紙～」。親の深く強い愛を歌ったこの歌は、NHK「みんなのうた」として人々の心に響き渡った。
　今年8月にはその第3弾「うた弁3」をリリース。森山直太朗書き下ろしの「蜉蝣（かげろう）のうた」を含む全13曲を手に開催されるのが、今回のツアーだ。NHK大阪ホールという大きな会場での公演だが「ショッピングモールで歌っていた時と変わらないですね。聴きに来てくださった方一人ひとりに届けるという感覚」と動じない。
　ただ、今回は今までにないステージが見られるはずだ。「映像作家さんの映像を背景にステージが一つのストーリーとなっていて、最後にこのテーマの意味を分かっていただけるという構成です。コロナで立ち止まったことで皆さんと出会えたと思います。同じ場所で一緒に立ち止まる時間を過ごせれば」