2024/5/13
インタビュー
――昨年、デビュー15周年を迎えて、4回目の日本武道館公演も開催されましたね。
「もう最高でした。ベストアルバム『The Best flumpool 2.0 ~Blue [2008-2011] & Red [2019-2023]〜』を作る過程で15年を振り返る作業は当然あったんですけど、武道館には支えてくれたファンの方もたくさんいたし、僕らが思いもよらないところで涙を流していたり、ものすごく感動してくれているのを見た時、自分たちの目には見えないところで、flumpoolがこんなにも誰かの人生の一部になっていたんだなと感じて、15年の尊さに震えました。僕らみたいな人間がそんなことをできるなんて…音楽のすごさを本当に実感しましたし、あの日ほど自分たちの歩みを誇らしく思ったことはなかったです。誰かを思うほど音楽が生まれてくるんだとしたら、目の前にいるファンであったり大切な人の存在が、僕たちが音楽を作っていく原動力だと気付いたんですよね」
――5年に一度の周年は、自分の人生を再確認するタイミングでもあるかもしれませんね。
「思い出を振り返った時、悔しかったこと、苦労したこと、勇気を出して海外で経験したこと…誰も知らない自分だけの物語がそれぞれにあると思うんですけど、今思えばそれよりも、誰と過ごしたかとか、一緒に泣いてくれた友達がいるとか、人と何かを成し得たことに何より価値を感じた15年でした。人と生きていくと大変なこともありますけど、今は何よりの宝だなと思います」
――現在は『15th Anniversary tour 2024「This is flumpool !!!! 〜15の夜に逢いましょう〜」』を開催中です。途中経過はいかがでしょう?
「拍手と声援が本当にやまない時があって…困りました(笑)。うれしい誤算というか、今回のツアーは心から生きているなと思える時間になっています」
――そのツアー初日の埼玉公演のアンコールでサプライズ披露されたのが、新曲の『君に恋したあの日から』で。
「この15年を振り返る意味合いもあったし、今考えるとやっぱり大きかったのはコロナ禍で。人と会えなくて、音楽もできなかったり、生きている実感がなくて、あらがおう抗おうとしても流れが収まるのを見ているしかないような、空白の3年間だった。その反動がこの曲にはものすごく出ていると思うんです。日常の中で何となく流れていってしまうから気付きにくいけど、一途に自分の中に咲き続ける思いが僕らにもみんなにもきっとあると思ったし、そういう大切な思いをちゃんとすくい上げる曲を作りたくて」
――ラブソングのようでそれ以上の、ファンとの未来を歌ったような一面も感じます。
「その決意とか誓いみたいなものがサビの部分にはあるんですけど、メンバーやスタッフの間でこれまでにないぐらい前評判が高いメロディだったので、歌詞を乗せる前からものすごいプレッシャーでした。歌詞で3ヵ月ぐらい悩んだのも初めてで」
――結果、歌詞からは素直で誠実なニュアンスが伝わってきますね。
「自分たちの思う王道、This is flumpoolな曲を作りたかったし、曲を作ってアレンジをして演奏するメンバーの地元の雰囲気、そこで巡ってきた季節、自分の中に根付いている色々な出会いとかそういったものがflumpool節を作り上げているんだろうなと。僕らは波乱万丈な人生を生きてきたわけじゃないし、幼少期の苦労話も特にない、本当に普通の人間で。でも、だからこそこういうflumpool節が生まれたんでしょうし」
――アニバーサリーイヤーもツアーもまだまだ続きます。次回の関西公演は6月8日(土)・9日(日)、地元・大阪のオリックス劇場です。
「今、世の中に必要なのは音楽なんじゃないかと大げさじゃなく思うので、ライブではコロナ禍でどこか流されてきた感情と向き合える瞬間を作りたいし、この15年でいろんなツアーをやってきましたけど、今回が見てくれる人に一番大きな変化をもたらせるんじゃないかな。初日からその手応えがあったし、それをどんどん進化させていけたらなと思っています。自分にとってもライブに来てくれる人にとっても、音楽は心を開く扉だと思っているので」
取材・文=奥“ボウイ”昌史
15th Anniversary tour 2024
「This is flumpool !!!! 〜15の夜に逢いましょう〜」
|日時|2024/06/08(土) 17:00
2024/06/09(日) 15:00
|会場|オリックス劇場
▶▶公演詳細
▶▶X(Twitter):@flumpool_STAFF
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