2021/2/3
編集部より
「最果タヒ展 われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。」は、いま注目の現代詩人・最果タヒさんの詩を、空間全体で体感する展覧会です。
最果タヒさんは、現代詩手帖賞や中原中也賞を受賞するなど、詩人として高い評価を得ている一方で、作詞提供、詩集の映画化、商業施設やホテルとのコラボレーションなどの幅広い活動によって、これまで詩に触れる機会が少なかった若い世代もファンに取り込んでいます。企画担当の私も、詩集が原作の『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』をきっかけに最果さんのことを知り、ファンになった1人でした。可愛い表紙に惹かれて詩集を手に取り、教科書以外で初めて自分から詩に触れ、「あ、これは私の中にあった感覚かもしれない」と、大切なものに気づかされたような感覚を抱きました。最果さんの詩は今・現代の空気を纏っていて、それでいて読む人によっていろんな捉え方のできる開かれた言葉だから、たくさんの人を惹きつけるのかなと思っています。
最果さんはすごいスピードで本を出しながら、関東では4年ほど前から展示という試みも始め、その勢いにさらに目が離せなくなりました。なんとか最果さんの展示を関西でも見たい、全国にも届くようにしたいという想いからお声がけして実現したのが、今回の「最果タヒ展」です。企画の立ち上げ後、最果さんとデザイナーの佐々木俊さんとご相談しながら、たくさんの方にご協力いただきながら、展示作品やチラシ・ポスター、オリジナルグッズなどをひとつひとつ作ってきました。展覧会は昨年6月に京都からスタートする予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止となり、その後8・9月に福岡、12月に東京で開催、今年は2月に名古屋、3月に大阪への巡回が決まり、最初の企画案から数えると約2年にわたるプロジェクトになっています。
普段はスマートフォンで詩を書き、SNSも活用する最果さんですが、本展では「その人がその場に立つことで完成する詩」をコンセプトに、読者が会場を歩き回って体験するインスタレーションを発表します。なかでも、天井から多数の言葉が書かれたモビールを吊るす「詩になる直前の、名古屋パルコは。」は圧巻です(大阪では「詩になる直前の、心斎橋パルコは。」になります)。自らの詩を大胆にばらばらにし、空間いっぱいに展開させるこの作品はまさに、詩は「その人だけの」感覚を心の内側に立ち上げるもので、どう受け止めても自由だという、最果さんの書き手としての姿勢そのもののような表現だと感じています。ゆらゆらと動く「詩になる直前」の言葉たちを自由に追いかけて、心が動く言葉を見つけたり、その瞬間を味わったりしてみてください。
そして、展示ではその場にいてこそできる体験を大切にしていますが、家に持って帰って楽しめるオリジナルグッズにもぜひ注目していただきたいです!豪華すぎる寄稿者に注目のオフィシャルブック『一等星の詩』、注ぐ飲み物によって表情を変える「詩のグラス」、Instagramにも素敵な写真がたくさんアップされている「詩そのものカード」など全10種類です。また、PARCO館内の飲食店とのコラボやゲストを招いた朗読イベントなど、様々な連動企画も準備中です。ぜひ2月は名古屋PARCOに、そして3月は心斎橋PARCOに、詩を見にお越しいただけると嬉しいです。
(公演担当者:Y)
←注ぐ飲み物によって表情を変える「詩のグラス」
詩そのものカード「望遠鏡の詩」→
【公演概要】
「最果タヒ展<名古屋>」
■日時:2021/02/13(土)~2021/02/28(日)
■会場:名古屋パルコ西館6階パルコギャラリー
■観覧チケット:一般 ¥800
ミニ本付チケット ¥1,800
公演詳細はコチラ
「最果タヒ展<大阪>」
■日時:2021/03/05(金)~2021/03/21(日)
■会場:心斎橋パルコ 14階 パルコイベントホール
■観覧チケット:一般 ¥800
ミニ本付チケット ¥1,800
公演詳細はコチラ
公式サイト:https://iesot6.com/
公式Twitter:https://twitter.com/iesot6
公式Instagram:https://www.instagram.com/iesot6/