詳細検索
  1. ホーム
  2. KEPオンライン
  3. 戸塚祥太が“阿呆”になる!?パルコ・プロデュース 舞台「阿呆浪士」観劇レポート
詳細検索

KEP ONLINE Online Magazine

戸塚祥太が“阿呆”になる!?パルコ・プロデュース
舞台「阿呆浪士」観劇レポート

2020/1/10

公演レポ

「阿呆浪士」

大いに笑って、少々涙するエンタメ時代劇

青春とは、きっとひたむきに駆け抜けること。登場人物たちのとんでもなく馬鹿馬鹿しく、阿呆なさまに笑っているうちに、いつしか懸命に生きる姿に心を奪われていく。ラサール石井が演出を手掛けるパルコ・プロデュースの舞台「阿呆浪士」が1月8日に新国立劇場 中劇場にて開幕。奇しくも旧暦12月14日という赤穂浪士たちの討ち入りがあったとされるこの日、夕方の初日公演に先駆けてマスコミ向けにゲネプロが公開された。

「阿呆浪士」は1994年に劇団「ラッパ屋」で初演された喜劇作家・鈴木聡の代表作。非業の死を遂げた藩主の仇討ちに臨む赤穂浪士の物語を大胆な構想で喜劇的に描き、巨大な落語として話題を呼んだ作品で、今回は主演にA.B.C-Zの戸塚祥太、共演には福田悠太(ふぉ~ゆ~)、南沢奈央、伊藤純奈(乃木坂46)、小倉久寛ら多彩な面々が出演する。

冒頭、浪曲師・玉川奈々福による語りで一気に江戸の世へと引き込まれ、軽快な音楽と行き交う人々の賑わいで江戸の町の華やかさを感じていると「お直ちゃ~ん、待ちなよぅ~」とひときわ賑やかな声が響く。長屋に暮らす棒手振りの魚屋・八(戸塚祥太)だ。
八は妻がいながら、長屋小町のお直(南沢奈央)にちょっかいを出すようなお調子者。ある日、金もうけのために浪人のスカピンたちと一芝居うつことにした八は、どさくさの中で取り違えから赤穂浪士・田中貞四郎(福田悠太)の血判状を手にしてしまい、吉原の座敷で、つい自分が本物の赤穂浪士だと嘘をついてしまう。大石内蔵助(小倉久寛)の娘・すず(伊藤純奈)はそんな八を利用し、討ち入りを決行しようと画策する。浪士たちの本当の幸せを思い、討ち入りを取りやめようとする内蔵助の態度に不甲斐ないと啖呵を切った八は本物の赤穂浪士として討ち入りをすることになり…。

せっかちな江戸っ子よろしく、セリフのやりとりはスピーディ。戸塚の江戸っ子口調も大したもので、軽快なセリフの応酬に挟まれる下らないやりとりにも、ついつい口角があがってくる。彼らをなんて愚かで阿呆な男たちだ、と思いながらもどこか憎めず愛らしく感じてくる。そして、後半にはその滑稽さすらも、それぞれが持つ志や理不尽を笑い飛ばしてしまう強さなのではないかと思えてくる。赤穂浪士たちの末路を目の当たりにしてなお、この阿呆たちから世をノリよく楽しく生き抜く力を感じずにはいられないだろう。

また、劇中には観客がうちわやペンライトを使って舞台をより盛り上げる演出も用意されている。劇場ではうちわの貸し出しをしているので、ぜひ手にしてキャストとともに大いに盛り上がってほしい。

ラサール石井も脱帽、戸塚&福田のプロ意識

公演に先駆けた囲み取材では、主演の戸塚は「野暮な役ですが、なかなかない役だと思うので、全力で楽しみたい。笑いの絶えない、間違いのない作品です!」と自信をのぞかせた。生真面目な赤穂浪士を演じた福田は「普段が真面目なので、そのままやれますね」とはにかんだ。演出のラサール石井は「別のお仕事でも忙しい中、座長の戸塚君はみんなを引っ張ってくれるし、稽古入りが遅れ2週間くらいしか稽古に出られなかった福田君も、最初からセリフも動きも完璧。プロ意識がすごいですね」と2人を絶賛。福田が「ありがとうございます。ぜひもう一度言っていただいて…」とカメラに向かっておどけて見せ、取材陣にも笑いがこぼれた。

取材・文/宮崎新之
撮影/御堂義乗

パルコ・プロデュース「阿呆浪士」
2020/01/31(金)19:00
2020/02/01(土)12:00/17:00
2020/02/02(日)12:00/17:00
森ノ宮ピロティホール

>>公演詳細はこちら

一覧へ戻る